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新聞でも会社法の解説書でも三角吸収分割や逆三角吸収分割を論じていません。しかしそれはアメリカには吸収分割がないからに過ぎません。これでは理由にならないでしょう。日本で三角吸収分割や逆三角吸収分割ができない理由などまったくありません。
吸収合併と吸収分割を比較したとき、重要な違いは、吸収合併は被合併会社の債務はもちろん、不確定債務や簿外債務、契約締結に向けた交渉中の法的状態(例えば、UFJ銀行と三井住友銀行との優先交渉権などを想起してください)など権利とも義務とも未だいえない浮動的法的状態まで、なにもかも承継してしまう欠点があります。
これに対し、吸収分割ではそのようにリスクのある債務などを承継しないことができるという点です。不確定債権者や簿外債権者は知れたる債権者ではありませんから、催告公告等の負担が増えるわけでもありません。不要なもの危険性があるものは、ただ残してくればよいのです。負担が増える点があるとしても、吸収分割契約書を作成するときに、多少技術を要する程度です。
三角吸収合併では、交付する対価は被合併会社の株主に対して交付する定めであること、被合併会社の株主の有する株式の数に比例して平等に交付されなければならないことから、交付する財産の種類は上場株式、金銭など平等性維持のための計算が簡単な財物に限局されます。
しかし、三角吸収分割の場合は、対価交付先が分割会社であるから平等性維持は問題にならない。このため対価として用いることができる財物の種類に制限がない。
三角吸収分割を実行するには、親会社の株式を事前に取得できなければ困難ですが、それは明文で認められています。反対派株主がいても特別決議を得る多数派を握っていれば、強制的に吸収分割が実行できます。この点は若干問題は残りますが、三角合併の場合より紛争はすくないでしょう。
逆三角吸収分割も全部取得条項付種類株式を使って実行できます。
それ以外の、債権者保護手続きを含む手続きは、三角吸収合併と三角吸収分割とで違いはまったくありません。三角合併より三角吸収分割のほうが優れていることはまちがいありません。
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